2025/02/07
マンジャロとは?
マンジャロ(Mounjaro)は、2型糖尿病の治療薬として開発されたチルゼパチド(Tirzepatide)という有効成分を含む注射薬です。アメリカの製薬会社イーライリリーが開発し、2022年に米国食品医薬品局(FDA)に承認されました。
この薬は、GLP-1受容体作動薬とGIP受容体作動薬の両方の作用を持つ「デュアルインクレチン作動薬」として知られています。これは、従来のGLP-1受容体作動薬(セマグルチドなど)よりも強力な血糖コントロール効果を示し、体重減少効果も高いことが特徴です。
作用機序
マンジャロは、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)とGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)の2つのホルモンの受容体に作用します。
- GLP-1受容体作動
- インスリン分泌を促進(食後の血糖値を下げる)
- 食欲を抑制(脳の満腹中枢に作用)
- 胃の排出を遅らせる(食後の血糖急上昇を防ぐ)
- GIP受容体作動
- インスリン分泌を促進(GLP-1と相乗効果)
- 脂肪細胞の代謝を改善(体重減少を促す)
- 耐糖能を向上(血糖管理を強化)
このデュアル作用により、従来のGLP-1受容体作動薬よりも強力な効果が期待できます。
効果と臨床試験
臨床試験では、マンジャロがHbA1c(ヘモグロビンA1c)を顕著に低下させ、体重も大幅に減少させることが確認されています。
- HbA1cの低下:最大2.3%減少
- 体重減少:最高22.5%(約24kg)の減少(SURMOUNT-1試験)
- 容量による効果の違い:特に高用量(15mg)で効果が高かった。
これにより、肥満治療薬としての可能性も注目され、2023年11月に肥満治療薬「ゼップバウンド(Zepbound)」としてFDAに承認されました。
副作用
マンジャロの主な副作用は消化器系の症状です。
- 吐き気
- 下痢
- 嘔吐
- 便秘
また、膵炎のリスクも示唆されているため、使用には医師の指導が必要です。
まとめ
マンジャロは、2型糖尿病治療薬として開発され、強力な血糖コントロールと体重減少効果を持つデュアルインクレチン作動薬です。
特に肥満治療薬としても期待されており、今後の活用が注目されています。