梶山内科クリニック|京都市下京区西七条東御前田町の内科・糖尿病内科・循環器内科

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マンジャロとリベルサスの比較

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)とリベルサス(一般名:セマグルチド)は、どちらも2型糖尿病治療薬として使用される薬剤ですが、その作用機序や効果、服用方法、副作用などにいくつかの違いがあります。以下に、それぞれの特徴と違いをわかりやすく説明します。

  1. 薬剤の概要

マンジャロ

  • 有効成分:チルゼパチド
  • 薬効分類GIP/GLP-1受容体作動薬(デュアルインクレチン受容体作動薬)
  • 投与方法:週1回の皮下注射
  • 承認2型糖尿病の血糖コントロールおよび肥満治療目的で使用される
  • 作用機序GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体およびGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)受容体に同時に作用し、インスリン分泌促進、血糖値の改善、食欲抑制、体重減少を促進する

リベルサス

  • 有効成分:セマグルチド
  • 薬効分類GLP-1受容体作動薬
  • 投与方法:経口薬(11回)
  • 承認2型糖尿病の血糖コントロール目的
  • 作用機序GLP-1受容体を活性化することでインスリン分泌促進、血糖値の低下、胃内容物排出遅延、食欲抑制を行う
  1. 作用機序の違い
  • マンジャロGIPGLP-1の両方の受容体に作用する「デュアルインクレチン薬」。GIPはインスリン分泌促進に加え、脂肪蓄積抑制や体重減少効果を持つ。
  • リベルサスGLP-1受容体のみをターゲットとする単一インクレチン薬で、血糖降下作用や体重減少効果は優れているが、GIPの作用はない。
  1. 有効性と効果

血糖コントロール

  • マンジャロHbA1cの低下幅が平均2.02.5%と報告されており、インスリン治療と比較しても優れた効果を示す。
  • リベルサスHbA1cの低下幅は平均1.01.5%で、注射剤のGLP-1作動薬(オゼンピック)に比べると効果はやや劣るが、経口薬としては高い効果を発揮する。

体重減少効果

  • マンジャロ:体重減少効果が顕著で、臨床試験では平均約1015%の体重減少が確認されている。
  • リベルサス:体重減少効果は平均約57%で、体重管理効果も期待されるが、マンジャロには劣る。
  1. 服用方法の違い

薬剤名

投与方法

投与頻度

服用条件

マンジャロ

皮下注射

1

時間帯を問わず投与可能

リベルサス

経口薬

毎日1

空腹時に服用し、服用後30分は飲食・他薬剤を避ける

  1. 副作用の比較

共通する副作用(消化器症状が主)

  • 悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛

マンジャロ固有の副作用

  • 低血糖(特にSU薬併用時)
  • 注射部位反応
  • GIP受容体作用による胃腸障害の可能性

リベルサス固有の副作用

  • 経口薬であるため胃腸障害が発生しやすい
  • 服用時の不適切な水分摂取による食道炎リスク
  1. 対象患者と適応症の違い

項目

マンジャロ

リベルサス

対象

2型糖尿病および肥満患者

2型糖尿病患者

肥満治療

米国FDAで適応取得(日本は未定)

日本では未承認

心血管リスク

心血管アウトカム研究が進行中

セマグルチドは心血管イベントリスク低減効果確認