2025/02/06
糖尿病の食事療法について
糖尿病の食事療法は、血糖値のコントロールを目的としており、適切なエネルギー摂取、栄養バランスの取れた食事、規則正しい食習慣が重要です。特に2型糖尿病では、食事と運動による生活習慣の改善が治療の基本となります。
- 糖尿病の食事療法の基本原則
糖尿病の食事療法では、以下の5つのポイントを意識することが重要です。
① 適正なエネルギー摂取
- エネルギー摂取量は個人の体格や活動量に応じて設定
- 目安:標準体重(kg)× 25~30 kcal(軽労作)
- 標準体重=(身長m)² × 22
- 過剰なエネルギー摂取を避け、適正体重を維持する
② 栄養バランスの良い食事
- 三大栄養素の適正な比率
- 炭水化物:50~60%
- 脂質:20~25%
- タンパク質:15~20%
- ビタミン・ミネラル・食物繊維を意識した食事が重要
③ 食後の急激な血糖上昇を防ぐ
- 低GI(グリセミック・インデックス)食品を選ぶ
- 玄米・全粒粉パン・そば・大豆製品・野菜など
- 食物繊維を多く含む食品を摂る
- 野菜・海藻・きのこ・豆類は血糖値の上昇を抑える
④ 食塩・脂質の摂取制限
- 塩分は1日6g未満を目標
- 高血圧や腎症を予防
- 飽和脂肪酸(動物性脂肪)を減らし、不飽和脂肪酸(魚・オリーブオイル)を適度に摂取
⑤ 規則正しい食習慣
- 1日3食を規則正しく摂る
- 食事間隔を一定に保つ
- 朝食を抜かない(血糖スパイク防止)
- ゆっくりよく噛んで食べる
- 満腹感を得やすく、食後血糖値の急上昇を防ぐ
- 糖尿病に適した食品と避けるべき食品
◎ 積極的に摂るべき食品
- 低GI食品:玄米、雑穀米、全粒粉パン、そば、大豆製品
- 食物繊維が豊富な食品:野菜、海藻、きのこ、豆類
- 良質なタンパク質:魚、鶏むね肉、大豆製品(豆腐・納豆)
- 不飽和脂肪酸を含む食品:青魚、オリーブオイル、ナッツ類
- 乳製品(低脂肪):ヨーグルト、チーズ(適量)
△ 控えめにする食品
- 白米、食パン、うどん、じゃがいも(血糖値が急上昇しやすい)
- 果物(糖分が多いため、適量に抑える)
- アルコール(血糖値の変動を引き起こす)
- 加工食品・インスタント食品(塩分・脂質が多い)
× 避けるべき食品
- 砂糖を多く含む食品:菓子パン、ジュース、ケーキ、アイスクリーム
- 脂質が多い食品:揚げ物、ラード、バター、加工肉
- 塩分が多い食品:カップ麺、漬物、スナック菓子
- 糖尿病における食事の工夫
① 食事の順番を工夫
「ベジファースト」として、野菜から食べることで血糖値の急上昇を防ぐ。
- 野菜・きのこ・海藻類(食物繊維が多い)
- タンパク質(肉・魚・卵・大豆製品)
- 炭水化物(ご飯・パン・麺)
② 食事の量をコントロール
- 腹八分目を意識
- 小皿に盛り付ける(食べ過ぎ防止)
- 間食は低糖質のものを選ぶ(ナッツ・ヨーグルトなど)
③ 外食時のポイント
- 主食は「玄米」「そば」など低GIのものを選ぶ
- 揚げ物より焼き物や蒸し物を選ぶ
- スープは塩分が多いため控えめにする