2025/02/07
ウゴービとは?
ウゴービは、肥満治療薬として開発されたセマグルチド(Semaglutide)を有効成分とするGLP-1受容体作動薬です。製薬会社のノボノルディスクが開発し、2021年6月に米国食品医薬品局(FDA)によって承認されました。
もともとセマグルチドは2型糖尿病治療薬として使用されていましたが、強力な体重減少効果が認められたため、肥満治療薬としての適応が追加されました。
作用機序
ウゴービは、GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体を刺激することで、以下の作用を示します。
- 食欲抑制
- 脳の視床下部にある食欲調節中枢に作用し、食欲を抑える
- 空腹感を減少させ、少量の食事で満腹感を得られる
- 胃の排出を遅延
- 胃の内容物がゆっくりと腸へ移動することで、食後の血糖値上昇を抑える
- 満腹感が長く続く
- インスリン分泌の促進とグルカゴン分泌の抑制
- 血糖値をコントロールしやすくする
効果と臨床試験
ウゴービの体重減少効果は他の肥満治療薬と比べても非常に優れています。
- STEP試験(臨床試験)結果
- 68週間の使用で、平均体重が15%以上減少
- 一部の患者は20%以上の体重減少を達成
- 従来のGLP-1受容体作動薬よりも強力な体重減少効果を示した
この結果から、ダイエット目的の薬ではなく、医療的な肥満治療のための強力な選択肢として位置づけられています。
副作用
ウゴービの主な副作用は消化器系の症状です。
- 吐き気
- 下痢
- 嘔吐
- 便秘
また、まれに以下のようなリスクもあります。
- 膵炎
- 胆石症
そのため、膵炎の既往がある人に使用は推奨されません。
日本における適応
2023年3月にウゴービは日本で承認されました。現在、日本ではBMI35以上の高度肥満症患者(またはBMI27以上で肥満に関連する合併症がある患者)に対して使用可能です。
ただし、自由診療(保険適用外)での使用も広がっており、ダイエット目的での使用が問題視されています。