2025/02/14
リベルサスについて
リベルサスは、2型糖尿病の治療薬として使用される経口GLP-1受容体作動薬です。GLP-1受容体作動薬としては初めての飲み薬であり、これまで注射剤が主流だったGLP-1受容体作動薬の治療選択肢を広げました。リベルサスの有効成分はセマグルチドであり、ノボ ノルディスク社によって開発されました。
- リベルサスの特徴
(1) 作用機序
リベルサスは、GLP-1を模倣し、以下のような作用を持ちます。
血糖値の低下:膵臓のβ細胞を刺激し、食後のインスリン分泌を促進。
グルカゴン分泌の抑制:肝臓での糖新生を抑え、血糖値を安定させる。
胃内容物の排出遅延:胃の動きを遅くし、食欲を抑制する。
体重減少効果:食事量の減少とエネルギー代謝の調整を助ける。
(2) 用法・用量
リベルサスは1日1回、朝食前に空腹時で水120mL以下とともに服用し、30分間は飲食や他の薬の服用を避ける必要があります。これは、セマグルチドの吸収を最適化するためです。
推奨用量:
開始用量:3mg(1日1回)
維持用量:7mg(1日1回)、効果不十分な場合は14mgまで増量
- 効果・効能
リベルサスは、2型糖尿病の血糖コントロール改善に用いられます。単剤療法、または他の糖尿病治療薬(メトホルミン、SGLT2阻害薬など)と併用されることが多いです。
(1) 血糖コントロール
臨床試験では、リベルサスはHbA1cの低下に優れた効果を示しました。特に7mgおよび14mgの投与群では、プラセボや他の経口糖尿病薬と比較して優れた血糖降下作用が確認されています。
(2) 体重減少効果
リベルサスは体重減少作用を有するため、肥満を合併する2型糖尿病患者に特に有用です。体重減少は、食欲抑制作用と胃排出遅延作用によるものと考えられています。
- 副作用
(1) 主な副作用
悪心(吐き気)
嘔吐
下痢
便秘
食欲減退
腹痛
特に、治療開始初期(3mg → 7mgへ増量時)に消化器症状が出やすくなりますが、時間とともに軽減することが多いです。
(2) 重篤な副作用
低血糖(SU剤・インスリンとの併用時)
膵炎(まれ)
- 注意事項
禁忌(使用してはいけない人)
1型糖尿病の患者
重度の胃腸障害を持つ人
妊婦・授乳婦
- まとめ
リベルサスは、世界初の経口GLP-1受容体作動薬として、2型糖尿病の治療に革新をもたらしました。血糖コントロールの改善に加え、体重減少効果を併せ持っています。
本記事投稿日の2025年2月現在も唯一の経口GLP-1受容体作動薬です。