梶山内科クリニック|京都市下京区西七条東御前田町の内科・糖尿病内科・循環器内科

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フォシーガの血糖低下作用と体重減少効果についてわかりやすく説明します。

フォシーガの血糖低下作用と体重減少効果

フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)は、SGLT2(ナトリウム・グルコース共輸送体2)阻害薬に分類される糖尿病治療薬であり、血糖値の低下や体重減少に寄与します。

  1. 血糖低下作用

(1) 作用機序

フォシーガはSGLT2を阻害することで、腎臓でのブドウ糖の再吸収を抑え、尿中に排泄させることで血糖を下げます。

  • 通常、腎臓はSGLT2を介して尿細管でブドウ糖を再吸収しますが、フォシーガはこの機能を抑制し、尿中にブドウ糖を排泄させます。
  • その結果、血糖値が下がり、インスリン分泌に依存しない血糖低下効果が得られます。

(2) 特徴

  • 低血糖リスクが低い:インスリン分泌を直接刺激しないため、単独使用では低血糖リスクが低い。
  • HbA1cの改善:臨床試験では、フォシーガの使用によりHbA1c0.51.0%程度低下することが示されています。
  1. 体重減少効果

(1) 作用機序

  • フォシーガの主な体重減少作用は、「尿中ブドウ糖排泄によるカロリー喪失」によるものです。
  • 1日あたり約200300 kcalのブドウ糖が尿とともに排泄され、これが長期的に体重減少につながります。

(2) 臨床試験結果

  • 体重減少は 23kg(使用期間6か月~1年)程度の減少が確認されています。
  • インスリン抵抗性の改善や、内臓脂肪の減少も示唆されています。

(3) 追加のメリット

  • 体重減少により、糖尿病患者の インスリン感受性が向上 し、さらなる血糖コントロールの改善が期待できます。
  • 心血管疾患リスクの低下や腎機能の保護効果も報告されています。
  1. 注意点

(1) 副作用

  • 尿路感染症・性器感染症:尿中の糖濃度が高くなるため、細菌や真菌が増殖しやすく、感染症リスクが上昇する。
  • 脱水・血圧低下:利尿作用があるため、脱水や低血圧に注意が必要。
  • ケトアシドーシス:特にインスリン分泌が極端に低下している患者では、血糖値がそれほど高くなくてもケトアシドーシスが発症する可能性がある。

(2) 使用時のポイント

  • 十分な水分補給を心がける(脱水・血圧低下対策)。
  • 感染症予防
  • インスリン治療中の患者ではケトアシドーシスのリスクに注意